ストレスに押しつぶされそうになった時に読みたい薬膳的ケア10の方法
春は進学・進級・部署異動などの環境変化があったり、気圧差・気温差が激しくストレスを感じやすい季節です。
最近「集中力がない」「疲れやすい」「気力が湧かない」などと感じている人も増えている中、これはストレスを感じているカラダや心からのサインかもしれませんので、是非受け止めてみてください。
今回はストレスを受けた時のカラダや心の反応、ストレスをケアする薬膳食材や、対処法についてお伝えしていきたいと思います。
記事項目
●社会で感じる女性のストレス
●女性ホルモンの変化がストレスの原因になる
●ストレスとは
●ストレスを受けた時の心とカラダの反応
●五臓の中でストレスを最も受けやすい「肝」
●ストレスを感じた時に摂りたい薬膳食材
●ストレスケア10の方法
●終わりに
◆社会で感じる女性のストレス
「長時間働くことが生産性を上げる」という高度経済成長期の名残から「職場にいることが美徳」というような、日本的オジサン中心社会は残念ながら未だに残っています。
そもそも女性と男性は基礎体力が違うことや、生理機能が異なります。また、子育てで人手を借りられない状況の女性の場合、時間に制限があります。
そんなオジサン達を時代の産物だと割り切り、温かい目で見守ってあげて、受け流したいところ。しかし、そんな社風の会社なら当然、同調圧力も半端ないでしょう。
日本のオジサンとのミスコミュニケーションが原因で精神的ストレスから大いなる疲労感を感じている女性は少なくありません。
また「こうあるべき女性」の姿を家庭や社会から押し付けられているうちに、自分の本来望むことが何だか分からなくなってしまい、「自分らしく生きられない」ことにストレスを抱えてしまっている女性も多くいます。
◆女性ホルモンの変化がストレスの原因になる
このような社会的背景に加え、女性にはホルモンバランスの変化があります。
毎月来る生理の度、あるいは、閉経が近づくにつれて、つい怒りっぽくなる、批判的になる、落ち込むなどの自分の意志ではどうにもならない精神状態に陥ってしまったり、疲れやだるさ、肩こり、頭痛、などの肉体的不調からストレスを感じたりする女性もいます。
◆ストレスとは
人間はストレスを受けた時に、自分の体を維持するようホメオスタシス(恒常性)が働きます。ホメオスタシスは自律神経系、ホルモンなどの内分泌系、免疫系が担っていますが、ホメオスタシスを維持することができないほどの外的要因のことをストレスと言います。
仕事や人間関係、ホルモンバランスだけでなく、気温差や気圧差などがストレスの原因となることもあります。あらゆるところにストレスの原因がはありますので、是非上手に付き合っていきたいですね。
◆ストレスを受けた時の心とカラダの反応
<精神的に現れる症状>
・怒りっぽくなる批判的になる
・愚痴が多くなる
・ふさぎ込む
・寝つきが悪くなる
・途中何度も目が覚めてしまう
ストレスを受けるとこのような反応が精神症状として現れます。
ストレスを受けた時に、ストレスを処理しようと臨戦態勢に入ります。そして、我慢を続けた後には「怒り」として現れるようになります。これは自分の欲求が受け入れられなかった悲しいという感情が「一次反応」としてあり、怒りは要求が通らないという悲しみの「二次反応」として現れます。
イライラするような状況が続くと怒りっぽくなる、批判的になる、愚痴が多くなる、ふさぎ込む、寝つきが悪くなるなどの精神症状として現れます。これらの症状は、我慢することによって更に悪化しますが、「あるべき」姿へのとらわれから、要求が通らない状況を自ら作り出していることもあります。
日々の中で自分で自分の欲求を満たしてあげるということがとても大切です。
<肉体的に現れる症状>
・風邪を引きやすい
・肩こり・頭痛がする
・歯ぎしりする
・食欲がなくなる
・生理痛
・生理不順
・生理前のイライラ、胸の張りなどPMSの症状がひどくなる
などです。
「風邪を引きやすい」など一見ストレスとは関係ないところに症状が現れるため、
ストレスによって疲れやすくなっていないかなど、
自分の体を総合的に観察して捉えておくことが大切です。
◆五臓の中でストレスを最も受けやすい「肝」
薬膳では「肝」は血を蓄え、気血のめぐりを調整しているところです。自律神経を担う「肝」は、五臓のうち最もストレスに弱い場所です。ストレスを受けることで、肝の機能が失調し、気のめぐりが悪くなります。このような状態を薬膳では「気滞(きたい)」と言います。
◆気滞の特徴
① 張る
② 悶々とする
③ 痛む
こめかみが張る、お腹が張ってガスがたまる、生理前に胸が張る、などの症状が見られるようになります。
また胸が悶々とする、息が詰まる、ものがつかえる、呼吸が浅くなる、ため息をつくなどの症状を訴える人もいます。
そして、更に気がめぐらなくなると同時に血の巡りが悪くなることから、肩こり・頭痛・生理痛・ストレス時に手足が冷たくなるなどの症状を訴える人もいます。
ストレスに無自覚な人もいますが、体に現れる反応を見ながら、せめて自分がストレス状況下に置かれていることに気づいてあげることが大切です。
◆ストレスを感じた時に摂りたい薬膳食材
では、ストレスを受けた時に薬膳では、どのような食材をとるのが良いのでしょうか。
それは「肝」を優しくいたわってあげて、かつ助けてあげる食材を選ぶことです。
ここで、いくつか肝の働きを助ける薬膳食材をご紹介させて頂きます。
<気のめぐりを良くする食材を選ぶ>
①柑橘類
オレンジやレモンなどの柑橘類の芳香が気のめぐりを良くします。
日本では実の部分のみが重宝して使われますが、皮にも気のめぐりを良くする薬膳的効果を期待することができます。輸入した柑橘類には、ポストハーベスト(収穫後に撒かれる農薬)の問題がありますので、国産の有機栽培のみかんなどを手に入れたら、「一物全体食(いちもつぜんたいしょく)」と言って、皮までしっかり使いましょう。
みかんの皮は、芳香によって精神的にリフレッシュする以外にも、胃腸の気のめぐりを良くするため、消化不良やお腹にたまったガスなどの問題も改善してくれます。
また、実の部分はカッカと怒りっぽくなりのぼせている時、熱がこもってほてる時など「陰=潤い」を与えることでクールダウンさせてくれます。
②シソ科の植物
紫蘇・ローズマリー・オレガノ・ラベンダー・ミント・セージ・エゴマ・バジルなどのシソ科植物。
芳香成分ぺリルアルデヒドが、気のめぐりを良くしてくれます。
また、シソ科植物は胃腸薬としても重宝します。
ストレスから、胃に不快感を感じ、吐き気などを感じる祭に積極的にとりたい食材です。
気分を晴らす鯖と紫蘇の玄米寿司
③セリ科の植物
セリ・ディル・パセリ・フェンネル・パクチー・ミツバ・人参・セロリなどが挙げられます。
漢方薬でも当帰(とうき)・柴胡(さいこ)・川芎(せんきゅう)など、セリ科の植物由由来の生薬はよく使われます。婦人科ではイライラなどの精神症状に、加味逍遙散(かみしょうようさん)という漢方薬がよく使われますが、柴胡(さいこ)という生薬が中心担っています。当帰は、血を養い、川芎は、気の鬱滞による痛みを解消してくれる生薬です。
いずれも、セリ科植物は根っこの部分まで芳香があるのが特徴ですが、我慢気質の日本人にとっては重宝する食材・生薬です。
にんじんとエシャロットとカルダモンの薬膳玄米ごはん
<肝の血を増やす食材を選ぶ>
栄養不足だと、いい血液が脳に行かなくなるため、マイナス思考になる、ストレスに弱くなるという特徴があります。
「生きたい人生を選び、生きたいように生ている」人の多くは、そもそもやり遂げるまでにストレスに潰されてしまうことがなく、ストレスを感じる閾値の高い、ストレスに強い人なのです。
ストレス閾値を高めていくためには、「血」を増やしていくことが大切です。
血を補う食材はレバー・牛肉・豚肉・鶏肉やマグロ・カツオなどの赤身の魚などです。
たんぱく質は「食い溜め」ができないため、間食に焼き鳥やゆで卵を食べるなど、こまめにたんぱく質補給するのが大切です。
また、ダイエットで動物性たんぱく質を食べない女性が多くいますが、疲れやすくなるだけでなく、精神的トラブルにも繋がりますので、是非積極的に摂るようにしてください。
◆ストレスケア10の方法
時間がそもそもなくて、精神的に余裕がない人に向かって、「リラックスしましょう」などと声かけしても、一笑に付されてしまうこともあります。
ストレスを感じた時には、「逃げる」か「戦う」か「解決する」かの三つの選択肢があります。本当にしんどい時には逃げることも必要だということも覚えておいてください。会社を辞めることは、簡単には決断できないものですし、介護や子育てなど、長期的にストレスと付き合わなければならない場合はどのようにしたら良いでしょうか?ストレスは基本的に「あるもの」ですので、上手に付き合う方法を学んでいきたいですね。
心の切り替えをすることが難しい人は、体から働きかけるようにしましょう。
●かっちりした衣類を避けましょう。
●イライラしている時にはまず睡眠を見直してみてください。
ストレスによって眠れなくなっている場合もありますが、睡眠が足りていないことにより、
怒りっぽくなっている場合もあります。睡眠は、肉体的な疲労を回復するだけでなく、精神的な疲労も回復してくれる効果があります。
●不規則な生活をしている人は、規則正しく生活することを心がけてみましょう。
テレワークが推奨されるようになってから、タイムレスに仕事してしまう、
昼休憩を取らないでいる人も多く見られます。
必ず休憩を取るようにして規則的な生活を心がけるようにしましょう。
●運動をしましょう。
大人になってからの運動習慣はなかなか難しいし、
時間がないという人も多いのですが、昼ごはんを食べ終わったら緑の多い公園を散歩するなど、工夫すればいくらでも習慣を変えていくことができます。また、ダンスやエアロビクスアなどのリズム運動は、セロトニン分泌を促すため有効と言われています。
●
「家庭と仕事」だけになってしまう人は、ストレスを感じやすくなるため、自分にとっての「第3のコミュニティ」を持つことも大切です。
●お風呂に入ってリラックスしましょう。
普段シャワーだけで済ませている人も、40度くらいのぬるめに設定した湯船にゆっくり浸りましょう。湯船に浸かることで気のめぐりが良くなり、リラックス効果を得ることができます。
●広い空間に行きましょう。
私達も自然界の一部という考え方が中医学にはあります。気のめぐりが良い広い空間に行くことで自ずと、カラダの気のめぐりが良くなりリラックスしやすくなります。
●コーヒーやエナジードリンクなどの刺激が強い飲み物は控えましょう。
ストレスから疲労感を感じ、奮い立たせるためについカフェインの入ったコーヒーやエナジードリンクなどを手にとってしまう人もいます。カフェインは交感神経を優位にするため、飲み過ぎると余計に怒りっぽくなります。つい手にとってしまう人は、朝一杯程度のコーヒーにとどめておくように心がけましょう。
●予定の詰めすぎを控え、時間的に余裕を持ちましょう。
仕事が忙してくて、休みになると普段できなかったことをこなそうと、予定を詰めすぎてしまう人もいます。予定を詰めすぎないようにして、自分一人の時間を持つようにしましょう。
●笑いましょう。
笑うことで横隔膜の緊張がほぐれ、リラックスできるようになります。
全て一度にすると逆にストレスを感じるので、自分にできそうなところから意識して始めてみてはいかがでしょうか。
◆終わりに
精神的ストレスを感じた時に、メンタルクリニックに行くことも選択肢の一つですが、受診をためらい我慢をしてしまう人も多いようです。また、西洋薬により一時的に自分を立て直すことも時には必要ですが、自分の体のアンバランスを見つけて、整えていくよう日々の生活の中で、できることを実践してみてください。
女性のホルモンバランスの変化による心やカラダのゆらぎを支え、健康で不安のない将来を迎えられますよう、日々の生活に取り入れたい薬膳を提案しています。16年の漢方相談歴があり、多くの女性の心とカラダのお悩みに応えている現役で漢方相談をしている女性薬剤師が主催する薬膳セミナーです。
漢方薬剤師 国際中医師 国際中医薬膳師/田村英子
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