牡蠣の玄米たまご雑炊の薬膳レシピ
今年も残すところわずかとなりました。
冬を「閉蔵(へいぞう)」と言い、万物が成長を止める時です。
冬は発散を控え心穏やかに過ごすのが養生に繋がりますが、
何かと忙しい12月、生物本来の営みとは逆行する現代社会では過度に働きすぎることで「腎(じん)」の力を弱めてしまいます。
この腎は成長・発育・水分代謝・ホルモンバランスなどアンチエイジングに関係している機能系統のことで、
西洋医学でいう腎臓・副腎・生殖器を含む内分泌系などに当たります。
冬は腎の力が弱り老化が進んでしまいがちな季節です。
冬に腎を養う味覚は「鹹(かん)」、塩やミネラル分などが腎の機能を調整してくれます。
今回はミネラル豊富な冬の食材、薬膳牡蠣の玄米たまご雑炊をご紹介させて頂きます。
◎冬は栄養豊富な牡蠣を食べよう!薬膳からみた牡蠣の効用
牡蠣は生の魚介類を食べない欧米の食文化圏でも唯一生食で食べられています。日本では縄文時代から食されており、貝塚から沢山の貝殻が発見されています。
そして牡蠣は雄から雌に性転換をする不思議な生物です。宇宙の全てが陰と陽の二つの要素を持つとした中医学の世界の中で、牡蠣は雌雄という陰陽の要素を持つ特殊な生物なのです。
◎牡蠣は漢方薬にだって使われているんです
牡蠣の貝殻は「ボレイ」と呼ばれ、カルシウムを豊富に含んでいて
「桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」など不安や不眠に対する漢方薬に用いられます。
その他にカルシウムイオンが胃酸を中和するため、「安中散」という胃の痛みに効く漢方薬にも用いられています。
◎牡蠣は女性にとっても嬉しい効果がたっぷり
牡蠣の身の部分は乳白色をしており、栄養豊富なことから「海のミルク」などとも呼ばれています。
薬膳では「血」や「潤い」を補い、神経を鎮め、体力を回復するという効果があります。また、冬に弱る腎を補うため。アンチエイジングには欠かせない食材です。
栄養学的にはパワーの源になるグリコーゲンや亜鉛・鉄などのミネラル分、ビタミンB群などを補ってくれます。この中でも注目したい栄養素が亜鉛です。亜鉛は新陳代謝に関係する酵素やホルモンなどのタンパク質を合成したり、遺伝情報を伝えるDNA転写に関わっています。忙しい年末に腎を養い、体力を回復させて、そわそわした気持ちを落ち着けてくれる食材ですので、積極的に摂りたい食材ですね。
◎卵は薬膳では「血」や「陰」を補う優れもの
また鶏卵は五臓の全てを養う食材。「アミノ酸スコア」が100で必須アミノ酸をバランスよく含み、効率的にアミノ酸を供給することができます。また薬膳的には「血」や「潤い」を養い疲労回復を助けてくれる食材です。
疲れが出やすい年末ですが、あと一息です。体をしっかり補って残り僅か、乗り切りましょう!
<材料>
・ 牡蠣 50g
・ たまご 1個分(溶く)
・ 三つ葉 少々
・ 出汁 300cc
・ 玄米ごはん 200g(炊いたもの)
・ 塩 適量
・ 酒 大さじ5
<作り方>(2—3人分)
① 牡蠣と酒(大5)を鍋に入れ、牡蠣に火が通ったら汁と牡蠣の身を分ける。
② 出汁300ccと玄米ごはん、①の汁を鍋に入れ、火にかける。
③ ごはんが柔らかくなったら、①の牡蠣の身を入れ火を止め溶き玉子を入れる。
| 性味 | 帰経 | 効能 | 適応/作用 |
牡蠣 | 甘鹹/平 | 心肝腎 | 滋陰 補血 安神 補虚損 | 不眠 動悸 貧血/神経を鎮める 体力増強 |
たまご | 甘/平 | 肺脾胃心肝腎 | 滋陰 潤燥 補血 安胎 | 貧血 口渇 体力回復 胎児安定 |
三つ葉 | 甘/微涼 | 肝脾胃 | 補気 疏通 化瘀 | 食欲増進 |
※牡蠣に含まれるビタミンB群は水溶性ビタミンです。火にかけた際、水に溶けて流れ出てしまうので雑炊やスープにして一緒に食することをお勧めします。
薬膳は難しいものではありません。効能さえ理解していれば毎日の食事に簡単に取り入れやすいですね。
「カラダを変える12か月のズボラ薬膳」
田村英子(漢方薬剤師・国際中医師・国際中医薬膳師)
女性のホルモンバランスの変化による心やカラダのゆらぎを支え、健康で不安のない将来を迎えられますよう、日々の生活に取り入れたい薬膳を提案しています。16年の漢方相談歴があり、多くの女性の心とカラダのお悩みに応えている現役で漢方相談をしている女性薬剤師が主催する薬膳セミナーです。
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