連日の朝3時起きで仕事をこなすオーバーワーク女性、抜け毛を漢方薬を飲んで3カ月で改善
「髪は女のいのち」昔からよく言われていますが、年齢による薄毛、髪が軽くなってきた、パサパサの髪質、年齢とは別に湿気でうねる、髪型がまとまらない、髪のボリュームが減ってきた、など髪質によりテンションが上がったり下がったりしますよね。
また髪の毛によって見た目が大きく違ってくるものです。髪のうねりやまとまらないなどの悩みには、ストレートパーマをかける、スタイリング剤などによって、いくらでも対処できるのですが、薄くなる・髪のボリュームがなくなる、などの悩みはどのように解決していけばいいのでしょうか。
●女性は「7の倍数で歳をとる」
中国最古の医学書「黄帝内経」には、女性は「7の倍数で歳をとる」などと書かれています。こちらは現代女性にも通じるもので、21歳になると女性の体は成熟しピークを迎え、42歳ころになると「容姿は衰え、憔悴する」などと書かれています。身も蓋もないような話ですが、段々と容姿に変化が現れ、髪がだんだん軽くなり気になり始めるのも42歳頃ころからです。
最近抜け毛が多いとお困りの40代女性、3ヶ月漢方薬を服用して劇的に改善した症例も踏まえて今回は「漢方薬での抜け毛治療」をご紹介させていただきたいと思います。
● 髪の毛は何でできているの?
一番外側がキューティクル、真ん中をコルテックス、中心部分をメデュラと言いますが、髪の毛は、80から85%が「ケラチン」というタンパク質からできています。残りは脂質やメラニン色素などでできています。
髪の毛は1か月で0.3ミリずつ伸び続け、1か月で1センチずつ伸びますが、一定の期間が経つと自然に抜け落ちます。髪が成長し抜け落ちるまでの間、髪は分裂や増殖を繰り返すことで、伸び太くなります。その後成長が止まり、段々と毛根の位置が浅くなり、自然に抜け落ちます。
● 抜け毛の一般的な治療
皮膚科で保険適用で行える治療では「フロジン液」や「ステロイド剤」などが使われます。
● 抜け毛の原因
様々な原因によって引き起こされる抜け毛ですが、一体どのようなことが原因なのでしょうか。「髪にいいと言われていることを何でもやってみた。」けれども一向に良くならないという方、原因を知った上でケアする方法を考えていくことが大切です。
① 女性ホルモンの減少による抜け毛
見た目の若さ、肌・髪のはりを保つには「女性ホルモン」エストロゲンが関係しています。エストロゲンは、髪の毛の成長を促進するホルモンです。エストロゲンは、年齢と共に卵巣機能が衰えることにより減少します。それにより髪の毛が細くなったり、髪が抜けるなどの症状が見られるようになります。
こうした症状に対しては、いわゆる「補腎薬」と言われるものが有効で、卵巣周囲の血行を改善して、卵巣に栄養を行き渡らせるような漢方薬で治療することがあります。更年期になると髪の毛以外にも、気力や体力がなくなるため、スタミナをつけて気力や体力をキ維持するのに役立ちます。
②甲状腺機能低下症による抜け毛
日本人に多い甲状腺機能の低下による抜け毛。抜け毛以外の症状は、「太る」「疲れる」「冷える」などの症状です。これらの症状は、普段の生活でも見られますので、一時的なものとしてやり過ごしてしまうことが多いでしょう。症状がひどい人だとチラージンなどの甲状腺ホルモンを補充することが必要になります。
オーバーワークによって引き起こされることもあり、「人参」や「鹿の角」などの漢方薬を用いて治療していくことで正常な数値に戻ることがあります。また、甲状腺が腫れている場合には桂枝茯苓丸などの漢方薬や、冷えて下痢が止まらない・めまいがするなどの症状には真武湯などの漢方薬を用いることで症状が改善されることもあります。
③ 栄養失調による抜け毛
髪はたんぱく質でできていることから、栄養が足りていないことにより髪の毛が抜けることがあります。やせている現代女性には栄養不良の女性が多く見られます。髪が抜ける以外にも生理がこなかったり、生理中眠くて疲れる、情緒不安定になるなどの症状も同時に見られます。
たんぱく質とは、肉や魚などの動物性たんぱく質と豆腐や納豆など大豆などによる植物性たんぱく質に分かれます。現代女性の食事について伺っていると、たんぱく質が十分に取れていないことが多々あります。夜だけは肉や魚などをしっかり食べているけれども朝ごはんを抜いていたり、昼ごはんはパスタやパンなどの麺類ですませたりするケースも多くみられます。夜ごはんに肉や魚の入った味噌汁を作って、残りを朝飲むようにしたり、お味噌汁にたまごを落として食べたり、毎食意識して食べるように心がけ常にたんぱく質を食べるよう意識しましょう。
この場合、当帰などが入った血を補う漢方薬で改善することができます。
④ ストレスによる抜け毛
ストレスによって髪が薄くなる、円形はげができる人もいます。ストレスにより交感神経が優位になると血管が収縮します。からだの中心部分から離れている手足先や頭皮にまで血液を送り届けることができなくなるため、ストレスにさらされている期間が長くなると髪の毛が抜けます。休みの日はしっかり休んでメリハリをつけるよう心がけてください。マッサージに行ったり、緑の多い公園などに出かけたりすると気分転換にもなります。
ストレスを抱えている女性に対しては、リラックスを助ける「加味逍遙散」や上半身に汗をかいたり動悸したり、怒りが込み上げてきて爆発してしまうタイプには、「柴胡加竜骨牡蛎湯」などの漢方薬が使われますが、こちらはほんの一例です。
⑤ 産後の抜け毛
産後はプラス10歳老けるなどと言われています。出産によって大量の「血」が失われること、授乳によっておかあさんは必要な栄養が足りなくなったり、自分の食事が後回しになったりしてしまうこともあるため、「血虚」と言われる状態になります。「髪は血の余り」などと言われていますが血が不足することから抜け毛が目立つようになります。また、血が足りないことで精神的に不安定になり産後うつになる人もいます。産後はあれこれしようとせずに、おしいものを食べて赤ちゃんと楽しむくらいのゆったりした気持ちで過ごしましょう。
漢方薬では、「十全大補湯」などの体力を回復する漢方薬や産後うつの女性には「帰脾湯」や精神バランスをとるために「桂枝加竜骨牡蠣湯」などが使われることがあります。
いずれにしても、自分の体調に合わせた漢方薬を飲む必要がありますので、漢方の専門家に相談しましょう。
漢方相談はこちらから。
●連日の朝3時起きで仕事をこなすオーバーワーク女性、抜け毛を漢方薬を飲んで3カ月で改善
(40代女性の例)
子供あり。オンラン相談
抜け毛や生理前の眠気 疲労感が主なお悩み
抜け毛が多くなったのは、出産後からで更に最近一年で抜け毛が増えたとのことでした。
生理前になると眠くてしょうがなくなり、10時間くらい寝てしまうようです。
普段の生活は、朝3に起きて6時まで仕事し、通勤1時間半かけて職場に行き17時まで仕事をしている。ずっとパソコン見て、クライアントと話しをしている。持病で緑内障があり、目の奥が痛くなることもある。
食生活についても漢方相談では必ず伺っていきます。
朝(パンかおにぎり)コーヒー
昼:弁当
夜:帰って作る(子供に合わせた食事 ナポリタンとかオムライスなどの食事をする)
胃腸に問題ないがあまりに空腹時間が長いと痛くなる時もある。朝3時に起きて仕事をこなしているとは言え、出産に伴い、労働時間が減ってからは、肩こりしなくなった。足先冷えむくみあり 上半身はそこまで冷えない。汗はそこまでかかない。快便 尿:出産に伴いやや近くなる。夜間尿なし。夜ぐっすり眠れている。
生理周期は4週間。量は少ない。生理に伴う気分の変化はなし。高校生のときからPCOS(多嚢胞性卵巣)ピルをずっと飲んでいたが、事情により途中で服用をやめた。漢方薬を服用してからちゃんと生理がくるようになる。生理前に胸の張りあり。 子宮筋腫は頚部にできたため、31歳の時に摘出。人間ドックで、子宮筋腫の可能性を指摘された。最近生理の量が増え立ちくらみあり
<初回の漢方治療>
月経前に異常な眠気におそわれることや、睡眠時間が少ないこと、仕事でパソコン画面をずっと見ているなどの症状から「血虚」と判断。血虚を改善する漢方薬はいくつかあるが、PCOSを併発している、頻尿などがあることから「当帰」「人参」「おうぎ」「鹿の角」などの漢方薬を使用。また上半身が熱く下半身が冷えてむくむ、肩こりなどから桂枝茯苓丸を併用。
<4週間後の漢方治療>
オンラン相談 生理前の眠気なくなる。朝も起きられるようになる。朝3時起きで仕事の案件片付ける。最近食べすぎる。頭皮がガチガチだったのでヘッドスパに行く。 カラダが固まっている状態で、眠ると、首こりから頭痛する時がある。抜け毛に関してはまだ判断ができない。
<8週間後の漢方治療>
オンライン相談 生理前の眠気を感じなくなった。朝起きることができている。肩こりから頭痛がして目が痛くなることが以前はあったが漢方を飲み始めてからは感じなくなった。
<12週間後の漢方治療>
オンライン相談 脱毛がなくなる。疲労感、生理中の眠気がなく今までになく快適に過ごすことができ、漢方薬の効果を実感している。
この方は、睡眠時間が少ないオーバーワークの方でした。寝ている間に血液は貯蔵されるため、睡眠時間を削ることで「血」が不足し、パソコン仕事などによって「血」が消耗している状態です。また、たんぱく質が少ない単品料理が多かっため、間食には小魚やナッツを食べることをお勧めしました。
朝昼晩はしっかりたんぱく質をとるような食生活の指導も同時にしていきました。PCOSや正常眼圧緑内障を併発していましたが、血を補い血行を良くしていくことで、これらの症状を防ぐこともできると考えています。現在も消耗する生活は続けているので、漢方薬を予防として飲み続けている状況です。
●最後に
子育ての大部分を負担している女性たちが、仕事と家事・育児において時間や体力・気力をやりくりをしながら器用にこなしていてる様子は漢方相談でもよく見られます。怒りぽくなった・生理前のイライラが激しくなったなどの感情の起伏・ストレス症状は見られなくても、どこかしらでバランスが崩れているような症状が見られます。
加齢によって髪の毛は抜けやすくなりますが、それ以外でも生理があり「血」を失いやすい世代の女性たち、体調のトラブルは色々な形で現れます。髪の毛が充実しているということは、見た目の問題だけでなく中身の充実にもつながります。
また悩まずに是非専門家のちからを借りて改善していきましょう。

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「カラダを変える12か月のズボラ薬膳」
田村英子(漢方薬剤師・国際中医師・国際中医薬膳師)
漢方相談はこちらから
https://zuborayakuzen.jp/
女性のホルモンバランスの変化による心やカラダのゆらぎを支え、健康で不安のない将来を迎えられますよう、日々の生活に取り入れたい漢方薬と薬膳を提案しています。16年の漢方相談歴があり、多くの女性の心とカラダのお悩みに応えている現役で漢方相談をしている女性薬剤師が主催する漢方相談・薬膳セミナーです。
過去実績はこちら
子宮筋腫
卵巣嚢腫
不眠症
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